⑳飛び込み営業のシステム化の弊害

飛び込み営業のシステム化

 

資金力少なく、仕事や商品を知ってもらうには、まず飛び込み営業などからはじめるしか方法はありません。

 

現在上場しているハウスメーカーも、知れる前は、プレハブをかついで山奥の農家に飛び込んだと言います。

 

世界ブランドになった電機メーカーも、知ってもらうために、ランチの度にわざと間違えたふりして自社名を注文したと言います。

 

それから、50年以上がたち、飛び込み営業もずいぶんシステム化されたなと感じました。

 

20年前、私の仕事は地主さんに土地活用の提案をするお仕事で、地主を調べ、飛び込み、通い、商品を提案し、上司に詳しく説明してもらい、話がまとまったら、先輩にたまに同行してもらいながら、仕事を覚えながらまとめました。

 

4月入社で8月の初契約、これが全国60人くらいの同期の中で一番ノリでした。

 

上司やお客様から言わせれば、何もやっていない新人でしたでしょうが、業者の手配などは先輩にほとんどやってもらったものの、その他はほぼ1人で動き回ったので、自分で1つの仕事をまとめた感覚は持っていました。

 

それからしばらくして、リフォームの飛び込み営業が盛んになりました。

リフォーム中の現場近くに「小僧」と呼ばれる営業が飛び込み、話を聞いてくれる人と約束を取り付けます。その後、「クローザー」と呼ばれる営業が話をまとめに行きます。

契約は早ければ1日でまとまります。

当時、「すごい効率の良いシステムだな。」と感じていました。当然、いろんな業種がこのシステムを取り入れました。

 

その後クーリングオフ制度導入などの風潮、つまり短期契約へのコンプライアンスが問題視されるようになり、少し違うスタイルが主流になりました。

 

テレホンアポインターと呼ばれる、約束取り付けのプロがうまれ、電話やメールで約束を取り、「専門家」が約束日にお伺いする。その後、「クローザー」と呼ばれる営業が話をまとめます。

 

これでも、仕掛けてから1週間くらいで話がまとまりますので、営業としては非常に効率が良いです。

 

飛び込み営業の世界も、日々時代に合わせて進化しています。

先日、私の受けた飛び込み営業は、「専門家」が直接電話で私と約束を取り付けました。そして、約束の日に「クローザー」と2人で訪問して来ました。

「クローザー」は、買うか買わないかだけ判断するためだけの会話で終わりました。その間「専門家」は商品説明以外一言も話しませんでした。

仕掛けからの期間は2日でした。

 

これは全て高額商品の仕事の実際のお話です。

 

まとめ

どんな時代のシステムでも、お客様と長く頼られる営業マンは「専門家」です。アポインターやクローザーはその場でのみ能力を発揮する仕事です。

 

「専門家」が、実際はどんなに良い人でも、システム内で仕事をされてしまうと、お客としては多くは頼ってはいけないことになります。

 

20年前、上司や先輩は自分でやった方が早いのに、4か月もかけて毎日2時間も説教しながら、私に「専門家」の役割を与えてくれたことの許される環境だったから、多くのトラブルも乗り越えて今でもそのお客様と良縁でいられるのでしょう。

 

そう思うと、今は、『今欲しい商品』は簡単に手に入れることが出来るが、ずっと頼れる「専門家」の付いた『商品』が簡単に手に入った優しい時代とは違うと実感せざるを得ませんでした。

 

 

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