⑯将来人生設計は今わかりやすいかも・・・
市役所や、保険業界で配られている統計のデータ集を見ると、いろんな気付きがあるので面白いです。
中でも厚生労働省の出している「平均寿命の年次推移」が分かる『簡易生命表』と「年齢別の平均余命」が分かる『簡易生命表』2つ並べて見ていると、面白いことに気付きました。
2015(平成27)年の平均寿命は男性80.79年、女性87.05年なので、44年前の1947年の平均寿命は男性50.06年、女性53.96年だったころからどちらも30歳も伸びているのだから驚きだ。
つまり現在70歳の人は、生まれたころの人生設計のまま生きていたら、死の30年も前に息切れしてしまっていることになる。それでも元気満々で生きている70代80代の方々を見ていると、人間の対応力は素晴らしいとつくづく感じます。
そう考えると、すべての世代において、鈍感に感じながらも体の進化に順応して、心・技ともに進化を続けていることに気付かされます。
例えば、皆様は一度でも、病気や体が動かなくなってから、どのように生きようかを考え、不安を感じたことはないでしょうか?
おそらく、70年前はそんな事を考えたことがある人は、少なかったと思います。
我々にはなんとなく、良くも悪くも老後というものがあるのだろうと想像しています。とはいえ、子供のころ介護や孤独死などの感覚がなかった世代、今の家計においてはおおざっぱな計算が分かりません。だから、「お金が無くならないように」とか、「生活できるように働こう」が最低目標になっているのが現状ではないかと思います。つまり、どれだけ働くべきかの指標がないのが現状だと思います。
そこで、先日平均余命とにらめっこしていると、面白いことに気付きました。
現在の平均余命の折り返し地点は、男性なら40歳 女性なら43歳に来ます。
つまり現在、男性は40歳から40年平均で余命があるのです。
では、今まで生きた40年間を振り返りましょう。
0歳から15歳までが義務教育で、親や国に育てられます。
それから7年間は高校生、大学生で、まだほとんど親に育てられていますが、ちらほら自立する人が出始めたり、自立しないまでもバイトをしたりして生計の足しにする人も現れます。
22歳になったらほとんどの人が社会に出て、短くても18年間働いてきました。その間、新しい家族が出来、他人の分も一生懸命働く人が多いことでしょう。
こんな人生をちょうど逆さに倍生きることができるのが、現在なのかもしれません。
この計算で現在の老後を逆さに計算すると、80歳から15歳までは完全老後なので、国や子孫に養ってもらいます。65歳からの人生です。ちなみに介護期間が、ちょうど赤ん坊期間と考えると1~2年でしょうか!?
その前の7年間つまり58歳からの人生は、働かないといけない人もいれば老後としてもいい人もいる。
つまり、22歳から58歳までの36年間で、前後44年間の無職の自分を食べさせていることができれば、自分の人生が黒字になる計算上の仮説が成り立ちます。
女性の場合、主婦業も含め、男性より6年は長く働かなければならない計算になってしまいます。
残念ながら国の保障は、この計算に追いついていません。が、再雇用制度や年金受給制度などで努力が見えます。でも、もっと追いついていないのは、生活者自身ではないかと思います。
70年前に人生設計した人は15歳(大卒22歳)まで養ってもらった分を残りの人生35年(大卒28年)働いて取り返せば良いと思えた時代でしたが、今は生活者一人一人が、36年間働いて、無職の自分を44年分養わなければ赤字になる世代だと認識できれば、何で昔の人より効率よく働かなければならないのか「なんとなく分かっているけど、説明つかない。」1つの理由が解消されるのではないかと思います。
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